ナタシ・ダーラ[1](Natasi Daala)は人間の女性で、帝国宇宙軍初の女提督である。銀河内戦終結後、銀河連合自由同盟の国家元首の座に上り詰めた。ダーラは惑星カリダで銀河帝国の宇宙軍に加わったが、男性優位の帝国内では差別の対象となった。しかし、模擬戦闘におけるダーラの優れた成績に気づいたモフ・ウィルハフ・ターキンが、彼女のキャリアに大きな成功をもたらした。ターキンが昇格するごとに、ダーラもまた彼の力添えによって階級を上げていった。ターキンの愛人になったダーラは、彼のおかげでとうとう提督にまで昇進する。間もなく彼女は、モー研究所と呼ばれる最高機密の帝国研究施設へと配属された。そこでは銀河系屈指の研究者たちが帝国軍の超兵器のために新技術を開発していた。ダーラは4隻のインペリアルI級スター・デストロイヤーとともに、外部から隔絶されたこの星団に11年もの間とどまった。
11 ABY、ケッセルから逃亡してきたキップ・デュロン、ハン・ソロ、チューバッカらが偶然にもモー研究所の存在を突き止めた。彼らを訊問したダーラは、ターキンや皇帝パルパティーンが既に死んでおり、反乱同盟に敗北した帝国が崩壊の危機に瀕していることを聞き出した。愛人の復讐を果たすため、ダーラは4隻のスター・デストロイヤーと超兵器サン・クラッシャーを使って軍事作戦を開始した。しかし、ソロたちはサン・クラッシャーを盗み出し、新共和国にダーラの脅威を警告した。結局、ダーラは期待していたほどの成果を出せず、3隻のスター・デストロイヤーを失った後、新共和国から研究所を守るためモーに戻った。彼女はそこで新共和国の軍隊に攻撃されたが、研究所を破壊することで、帝国の新兵器が敵の手に渡ることを阻止した。ダーラは損傷を負ったスター・デストロイヤーで緊急ハイパースペース・ジャンプを行い、戦場から離脱した。
12 ABY、ダーラは反目しあう帝国の軍将たちを統一しようと試みたが、思い通りに進まなかった。そこでダーラは彼らを皆殺しにし、統合した軍隊を指揮下に置いた。彼女はギラッド・ペレオン中将の助けを借りて再び新共和国の打倒を試みたが、戦いは敗北に終わった。彼女はペレオンに指揮権を譲った後、軍を離れることになる。1年後、ダーラは腐敗したモフ、トル・ゲタリーズを倒すため新共和国に力を貸したが、軍務は終わりだと宣言してその後は消息を絶った。この頃、ダーラは愛人だったライジーアス・ヴォーンと再会して結婚し、子どももできていた。17 ABY、彼女はまたしても新共和国を相手に戦ったが、敗北を喫している。
ダーラが死んだと信じていた新共和国は、40 ABYに彼女が再び銀河世間の前に姿を現した際に衝撃を受けた。モー不正規艦隊の司令官になっていたダーラは、インペリアル・レムナントから離脱し、マンダロリアン戦士団に加わって銀河連合自由同盟の独裁者ダース・カイダスと戦った。カイダスが死に、第二次銀河内戦が終結すると、ダーラは銀河同盟の新しい国家元首になった。カイダスの行為を人々の記憶に留めようと、彼女は強い反ジェダイ感情を表明し、反ジェダイ活動の一環としてマスター・ルーク・スカイウォーカーを追放した。しかし、ダーラの命令でジェダイ・テンプルの包囲が行われ、代理グランド・マスターのケンス・ハムナーとの関係が険悪になると、世間のダーラに対する印象はより否定的になり、ジェダイは彼女を専制君主とみなした。ますます極端になるダーラの政策を扱いきれなくなったジェダイのグループは、彼女に対するクーデターを起こした。ダーラは刑務所に送られたが、バウンティ・ハンター・ボバ・フェットの助けを借りて脱出し、自分を失脚に追い込んだ人々への復讐計画を練り始めた。
ジャグド・フェル元首を倒してインペリアル・レムナントの支配権を握るため、ダーラはフェットの協力のもとモフ評議会のメンバー数名を恐喝した。しかし、モフ・ゲタリーズの裏切りや、フェルを援助するためハンド帝国が派遣した援軍の到着により、ダーラはエクソードIIで彼らと戦うことになる。ダーラとフェルの対立によって、レムナントの政情は不安定になった。ダーラはライディア・パガースキー中尉の助言に従い、国家元首の座をかけてフェルと選挙で対決すると申し出た。ダーラは選挙でフェルやヴィトー・リージ提督と争うことになったが、フェルが途中で立候補を撤回したにも関わらず、リージとの一騎打ちに敗れることになった。
経歴[]
銀河帝国の女提督[]
生い立ち[]
- 「一六歳のときから、艦隊はわたしの人生だったわ」
- ―ナタシ・ダーラ[出典]
人間の女性、ナタシ・ダーラは、アウター・リム・テリトリーのベルスムス宙域に位置する惑星アーメニューの、裕福な家族のもとに生まれた。彼女がまだ赤ん坊だった頃、ダーラ一族はライバルによって資産を乗っ取られてしまった。ダーラ家の者たちは皆殺しにされることになったが、ライバル一族の若き息子が、まだ幼いナタシのことを憐れに思った。彼は、密かにナタシを惑星外へと脱出させることに決めた。一族のメンバーは虐殺されたが、ナタシ・ダーラは惑星ボタジェフの孤児院に送られた。
若い頃、ナタシ・ダーラはホロ偽造者のライジーアス・ヴォーンと恋に落ちた。しかし、義務感が愛に勝ったダーラは、ヴォーンと別れ、銀河帝国に仕えるため惑星カリダのアカデミーに入学した。帝国アカデミーにおいて、彼女は優秀な学生かつ将校だったが、女性であることが差別の対象となり、いつも昇進候補から外されていた。また、帝国軍将校たちは彼女があまりにも口論しがちだと評価していた。男性優位の軍隊に対する苛立ちを和らげるため、ダーラはカリダのコンピューター・ネットワーク上で偽名を名乗り、性別を隠した偽りの身元をつくりあげた。ダーラはこの偽名を使ってシミュレーション戦闘に参加し、彼女自身の教官を含む、数多くの高位将校を破った。彼女の戦術のいくつかは、元銀河共和国軍司令官ジャン・ドドンナが考案したアイデアに基づいていた。コンピューター上に出現する優れた戦術家の正体は誰にも分からなかったが、帝国軍全体で彼女の戦術が研究され、実際に使用されるまでになった。ダーラはやがてアカデミーを卒業したが、階級は帝国地上軍の下士官に留まっていた。
ターキンの後ろ盾[]
ダーラの優れた技術は、やがてモフ・ウィルハフ・ターキンの注意を引いた。彼はダーラが使っていたネットワーク上の身元について調査するため暗号解読者を2名雇い、数か月がかりで謎の戦術家の正体を突き止めた。ターキンは、優れた戦術の考案者が女性だったことに驚いた。また、当時ダーラの階級は伍長で、スター・デストロイヤーで食べ物を準備するキッチン・スタッフとして働いており、この事実はターキンをさらに驚かせた。人気戦略家の正体を知り、恥をかかされたカリダの上層部は、ダーラを惑星の南極点にある気象ステーションに左遷しようとした。しかし、ターキンは配置換えが行われる前に彼女を自分のスタッフに加えた。ターキンの愛人兼被保護者になったダーラは、彼の影響力のおかげで、通常の軍事階級制を無視した昇進を果たした。ダーラは最終的に提督の階級に上り詰め、やがてグランドモフを示す記章を身に着けるようになった。
帝国には、華々しいキャリアを歩むダーラの陰口をたたく者たちが多くいた。ある中尉が自分とダーラの悪口を言っているのを耳にしたターキンは、彼に1日分の空気を入れた与圧服を着せ、惑星の低い軌道へと放り出した。ターキンは、彼が軌道を落下していく24時間のあいだ通信システムを起動状態にし、死を目前にした男の懇願や呪いの言葉を艦内放送で流し続けた。中尉は大気圏で燃え尽きて死に、ダーラの陰口を叩いた者には厳しい罰が与えられるという効果的な見せしめになった。しかし、実際にダーラはターキンの愛人だったため、中尉の陰口も部分的には間違っていなかった。
モー研究所の司令官[]
グランドモフになったターキンは、ダーラにモー研究所の防衛と監督任務を任せることにした。この秘密研究所は、デス・スターやワールド・デヴァステイター、サン・クラッシャーといった帝国の超兵器の開発地だった。この研究所は帝国の内部でも機密にされており、4隻のインペリアル級スター・デストロイヤー、<バシリスク>、<ゴルゴン>、<ヒドラ>、<マンティコア>から成る防衛艦隊が配置されていた。ダーラは<ゴルゴン>を自らの旗艦にし、クレイタスという名の中佐が副官として彼女に仕えていた。ダーラの役割は、予期せぬ攻撃から研究所を防衛し、帝国の最高機密の設計や、キウイ・ズークスやトール・シヴロンといった科学者たちの安全を守ることだった。モー研究所の存在を知っていたのは皇帝パルパティーンを含むごくわな人々だけだった(ダーラは、パルパティーンもこの施設のことを知らないだろうと考えていた)。ダーラに対する指揮権を持っていたのはターキンただひとりだった。彼は、自分が戻るまでの間、絶対に任務を放棄したり外部と通信を行わないよう彼女に指示していた。しかし、ターキンは何度かダーラをモー密集地帯から呼び戻したことがあった。7 BBY、ターキンがベイル・プレスター・オーガナ元老院議員と対面した際、ダーラも彼と共に惑星オルデランを訪れている。
0 BBY頃、惑星デスペイヤーの軌道で建造中の巨大超兵器、初代デス・スターにいたグランドモフ・ターキンは、暗号化されたホロ・ユニットを使ってモーのダーラに連絡を取り、直接話し合うため自分のところに来るよう指示した(絶対にモーを離れないよう指示したのもターキン本人だったが、彼はダーラが1、2週間留守にしても艦長たちが代わりを務めてくれるだろうと判断した)。ダーラはデスペイヤーへの呼び出しに喜んで応じた。デス・スターに到着したダーラは、アルファ・セクターにあるドッキング・ベイ6でターキンと再会し、彼女のために用意された部屋にふたりで入った。その後、デス・スターを防衛していたジェイム・ヘロー提督指揮下のスター・デストロイヤー<アンドーンタブル>が破壊工作によって爆破される事件が発生した。ターキンは爆発を間近で見たコナン・アントニオ・モッティ提督と会話を交わし、ダーラはそれを隣で聞いた。この事件が誰の仕業によるものかを突き止めるため、ターキンはダーラに協力を求めた。
ターキンのアクセス・コードを勝手に使って事件を調査したダーラは、<アンドーンタブル>の後部船倉の保安カメラの映像を入手し、ターキンに見せた。このビデオと調査結果から、何者かがゴールにある帝国の宙域宇宙軍補給所で貨物コンテナに爆発を仕掛けていたことが明らかになった。ゴールの補給所は厳重なセキュリティで有名であり、ダーラとターキンは帝国軍の高い階級にまでスパイの手が伸びているに違いないと判断した。しかし、この調査では工作員の正体を特定するには至らなかった。ダーラは事件の調査を続けるよう命じられたが、結局犯人を見つけることが出来ず、一度モーに戻ることになった。
それから間もなく、ダーラはカメダ艦長の宇宙船に乗って再びターキンのもとを訪れることになった。しかし、彼女が到着したとき、デス・スターは反乱軍による襲撃を受けていた。<フォートレッサ>という名の反乱軍のルクレハルク級バトルシップが、バトルステーションに向けて500機のXウイングを放ったのである。デス・スターのスーパーレーザー砲は一撃で反乱軍の母艦を沈め、ステーションに配属されていたTIEパイロットたちが敵戦闘機をやすやすと掃討したが、ダーラは宇宙船が被弾した際に頭部を負傷した。彼女はデス・スターに運ばれ、ドクター・コーネル・ディヴィニ、アブ・バヌー、ロアらによる手術を受けた。彼女は助かったが、脳の海馬に破片が突き刺さったことで、過去1年の記憶の一部を失った。ターキンは、ダーラがデス・スターにいたという公式記録を全て抹消した後、彼女をモーに送り返した。また、帝国から離反する決意をしたドクター・ディヴィニは、デス・スターのシャトルに乗る際にダーラの名前を利用したが、ダーラ本人はそのことを知らなかった。
ダーラがモーに戻ってから間もなく、デス・スターはヤヴィンの戦いで破壊され、ターキンも命を落とした。しかし、モーの閉鎖的環境にいるダーラはそのことを知らなかった。それから11年以上もの間、様々な兵器を開発する科学者たちを防衛しながら、ダーラはターキンからの連絡を根気強く待ち続けた。いつターキンからの連絡が来てもいいように、ダーラは乗組員たちに多くの訓練を積ませ、戦闘準備を万端にしていた。
新共和国との戦い[]
銀河系への帰還[]
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登場作品[]
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参考資料[]
脚注[]
- ↑ カタカナ表記は『ミレニアム・ファルコン』に基づく。