キャッシーク(Kashyyyk)はミッド・リムに属す樹木の惑星である。銀河帝国の支配下ではG5-623として分類されていた。ロシュア・ツリーの森林とジャングルに覆われたこの星は、勇敢な戦士にして一流の職人として知られるウーキー種族の故郷だった。ウーキーはキャッシークの樹上にカチーロをはじめとする都市を築き、自分たちを「木の民」と称していた。またキャッシークは豊かな生態系を有し、タックやシーオ・バード、カターンなどさまざまなクリーチャーが棲息していた。キャッシークは4つのハイパースペース・ルートの上に位置していたため、あらゆる戦争で戦略的な要所となった。
銀河共和国の加盟国だったキャッシークは、クローン戦争の戦場となり、独立星系連合による侵略を受けた。ジェダイ・マスターのヨーダがクローン・トルーパーを率いてウーキーの援軍に駆けつけたが、間もなく共和国は銀河帝国へ再編され、キャッシークは新政府の占領下に置かれた。帝国の占領は長年にわたり、ウーキーは奴隷として酷使された。この間、ターフル率いるキャッシーク・レジスタンスや、ソウ・ゲレラ率いるパルチザンといった抵抗勢力が帝国と戦いを繰り広げた。銀河内戦終盤の5 ABY、キャッシークは新共和国によって解放され、帝国の支配に終止符が打たれた。
特徴[]
概要[]
- 「あの星系を手放すわけにはいきません」
- ―オビ=ワン・ケノービ[出典]
惑星キャッシークは銀河系のミッド・リム、ミタラノア宙域、キャッシーク星系に属し[1]、平面座標上でP-9に位置した。[3] キャッシークは全長1万2,7665キロメートルの固体惑星であり、衛星を3つ持ち、公転周期は381日[6]、自転周期は26標準時間だった。[5] キャッシークは勇敢な戦士にして優れた職人でもあるウーキー種族の母星だった。また同星系内には、トランドーシャン種族の母星であるトランドーシャが存在した。キャッシークは自転軸に傾きがなく、完全に正円の軌道を周回していたため、四季が存在しなかった。キャッシークは複数の広大な大陸と、熱帯性の海流が循環する海洋からなり、陸地には広大な森林がどこまでも広がっていた。また海には列島や長大なサンゴ礁が多数散在していた。[6]
キャッシークはミッド・リムの航行量が多い4本のハイパースペース・ルート上に位置しており、重要なホロネット中継局も設けられていた。[6] そのためこの惑星はあらゆる戦争で戦略的な要所となった。ウーキーの都市は大木の樹上に造られており、建築物はジャングルの天蓋の美しさと調和していた。[1]
生態系[]
動物[]
キャッシークの森には、木の頂点から下に向かって何層にも及ぶ複雑な生態系が形成されていた。[6] 樹上には、無害で人懐っこい動物として知られる霊長類のタックが棲んでいた。タックは食料である果物をとるため、しばしば木から降りる姿が目撃された。[11] 生態系は木々の下層にいくほど危険であり、光の届かない下層には、カターンやウィルム=ウィーヴァー、そして白髪交じりの老ウーキーが炉端で語る伝説に出てくるような、奇妙で野蛮なクリーチャーがうろついていた。[6]
ウーキーには、クリーチャーにまつわる言い伝えや伝説がいくつか存在した。例えば、彼らは飛行クリーチャーのキャン=セルを見ると幸運になると信じ、ペットにすることも多かった。また彼らはこのクリーチャーをヒントに、ラドー・ナスプ・フラッタークラフトという乗り物を造った。[20] また目撃例が少ない巨大鳥類のシーオ・バードは伝説的存在となっており、彼らの姿を見ることは滅多にない幸運で、目にしたら平穏が約束されると信じられていた。[11]
キャッシークに生息した動物の一覧:
植物[]
キャッシークには広大な密林が広がっていたが、そのほとんどがロシュア・ツリーによって構成されていた。ロシュアの木は極地以外ならばどこでも成長することができ、1,000を超える亜種が存在していた。この木は樹齢5万年にも達し、深い森の中では高さ1,000メートルにも成育することがあった。ロシュア・ツリーはキャッシークの生態系の中心であり、ウーキーの生活の物質的、社会的、精神的な文化を支える基盤でもあった。ロシュア・ツリーは幹をくり抜いた中でコミュニティ全体が生活できるほど巨大であり、ウーキーはロシュアの枝を連結してその上にプラットフォームを築くことで、大小さまざまの都市を造っていた。[6]
またキャッシークにはロシュア以外にもさまざまな植物が生育していた。ジョー・プラントは肉食の植物で、日の当たらない湿った場所に分布していた。ジョー・プラントは食べ物の匂いを発することで獲物の動物を誘い込み、大きな顎のような器官を一気に閉じて挟み込んだ。一方、寄生性植物のサーヴァは近づいてきた獲物や接触した獲物にゆっくりと吸着性のある蔓のような体を伸ばし、長い年月をかけて養分を吸い尽くした。またラング・プラントは体腔に空気を溜める性質を使い、スリーグなどの天敵が近づいてきた時に空気を放出して自衛することができた。マッシュブルームは生物発光する菌類であり、完全に成長すると致死性の毒を有するが、成長しきる前に収穫すれば珍味の食べ物となった。[11]
住民[]
キャッシーク出身の知覚種族であるウーキーは恐ろしげで野蛮な外見をしていたが、知的で洗練された社会を持ち、忠実で信頼の置ける民族として知られた。[24] 彼らは2メートルを超える長身で、怪力を備え、長生きの種族だった。[25] ウーキーは森林の環境と調和した暮らしを営み、食料および建築資材、その他の資源としてロシュアの木を有効活用した。[6] 彼らは若い頃から芸術的な技術を磨くことを奨励され、自然の素材を用いてさまざまなものを制作した。ウーキーの作品は、文化的な儀式に用いる装飾的・伝統的なものもあれば、テクノロジーを取り入れた実用性のあるものもあった。[25]
歴史[]
森林の惑星[]
キャッシークには、ウーキーの地図製作者やナビゲーターによって構成される伝説的なクラチュヴァック・ギルドが存在した。熱帯のワワート諸島に点在するラグーンやフィヨルドにはこのギルドの居住地があり、その拠点は首都カチーロに置かれていた。クラチュヴァック・ギルドが保管していた秘密のハイパースペース・ルートのデータは貴重な宝であり、キャッシークが戦略的に重要な惑星である一因となっていた。[6]
キャッシークのウーキーたちは、隣人であるトランドーシャンと険悪な関係にあった。[24] ジェダイ・オーダーのグランド・マスター・ヨーダは、トランドーシャンを巻き込んだいくつかの事件において交渉人として活躍した。ウーキーはヨーダの功績をたたえ、彼に“ホーム・ツリーの守護者”という古い称号を授けた。これ以来、ヨーダはウーキーとのあいだに良好な関係を保ち、ターフル率いる樹上都市カチーロの住民だけでなく、多くのウーキーの指導者たちから名誉ある家族の一員として受け入れられていた。[6] またヨーダは、当時パダワンだったドゥークーとともにキャッシークを訪れ、テレンタテックと戦ったことがあった。[13]
クローン戦争[]
19 BBY、クローン戦争の最後の戦いのひとつがキャッシークで繰り広げられた。キャッシークが独立星系連合のドロイド軍の侵略を受けると、ジェダイ最高評議会はウーキーと仲のよいマスター・ヨーダが率いる共和国グランド・アーミーのクローン・トルーパーを援軍に派遣することに決めた。[7] また共和国にとっての惑星の重要性に鑑み、マスター・ルミナーラ・アンドゥリや[8] クインラン・ヴォスもキャッシークに送り込まれた。[26] またクローン・コマンダーのCC-1004(グリー)が第41精鋭兵団を指揮し、ジェダイ将軍たちを補佐した。[7]
銀河帝国[]
皇帝パルパティーンの銀河帝国は、キャッシークを封鎖し、ウーキーを奴隷にした。帝国時代、キャッシークの住民は帝国に対して反乱を試みた。しかし、彼らの運動はカーダー将軍と帝国軍第212突撃大隊によって鎮圧された。
ファースト・オーダーの標的[]
クレイトの戦い以降、キャッシークはファースト・オーダーの標的となり、リサージェント級スター・デストロイヤーをはじめとする宇宙軍による封鎖が行われた。また地上にはオミクロン部隊をはじめとするストームトルーパー隊が展開された。[19] 彼らは住民のウーキーを捕まえ、奴隷として惑星外へ運びだそうとした。[27][28] レジスタンスの一員であるチューバッカは、ナイン・ナンやボーモント・キン、ポーグのターバスと一緒に<ミレニアム・ファルコン>に乗り込み、ファースト・オーダーに包囲された母星に駆け付けた。<ファルコン>はダズ・クラノが操縦するT-70 Xウイングに助けられながら軌道の封鎖線を突破し、ブラック・フォレストにたどり着いた。[19]
地上に降りた後、現地のウーキーから状況を知らされたチューバッカは、ターバスを連れてブラック・フォレストに突入し、ストームトルーパーやトレッドスピーダー・ドライバーと戦いを繰り広げた。[19] キンやクラノはチューバッカの後に続こうとしたが見失ってしまい、レジスタンスの増援が期待できない中、独力で捜索を行った。一方、チューバッカはウーキーの捕虜をクサイ級軽シャトルに運び込もうとしていたストームトルーパーを倒し、同胞を解放した。[27] その後、チューバッカはターバスと協力して見張りの兵士を倒し、ファースト・オーダーの野営地に忍び込んだ。解放されたウーキーの囚人たちは、駆け付けたレジスタンスの兵士と力を合わせ、ストームトルーパーを圧倒した。レジスタンスが野営地での戦いに勝利した後も、キャッシークの他の場所ではファースト・オーダーとの戦いが続いた。[28]